自宅で祖母の介護をしていた母の口ぐせは、
「愛情は何よりもの薬」
12年間寝たきりの祖母の介護は24時間体制で、この間に母が布団でゆっくり寝ている姿はひと晩たりとも目にしたことはありません。
「数時間でも同じ姿勢で寝ていたらおばあちゃんもツライでしょ」
母はそう言っては、頻繁に祖母のからだを動かしては手でさすっていました。
毎晩抱えてお風呂に入れて、寝る前にはクリームをつけてマッサージ。
起きては歯を磨き化粧してあげて、何時間もかけて食事を食べさせる。
こんな日々の繰り返しで12年間。
母のもうひとつの口ぐせは、
「おばあちゃんを看れてしあわせだわ」。
愛情いっぱいに育ててくれた祖母に親孝行ができて幸せだと、母はいつも口にしていました。
注いでもらった愛情を、また愛情返しができて幸せ。
それが、母のいう
“愛情はいちばんの薬”。
病気を治す薬だけではなく、
そこに愛情という薬があることを、母から教えてもらいました。
母がいまも生きていたら、私も同じように愛情返しをしたかったな。
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