母が余命宣告を受ける前
家族、親戚が集まり母に余命宣告をするべきかどうか何度も何度も話し合いを重ね、意見がわかれていた時期があった。
余命宣告を受けて、母が病気と戦う気力をなくすのではないか。
落ち込むのではないか。
そんなことを言う叔母もいた。
確かにそうだとおもう気持ちもあったけれど
担当医から
「命はあなた達の命ではなく、お母様の命です。
本当の病名も病状も知らずにお母様が生きているより、状況を知って一日でも長く生きるように病気と戦うこと、それをサポートするのがご家族の役割ではないでしょうか」
と言われたときに私の決意は固まった。
最後は父と相談し、母に余命宣告をしてもらった。
あの日から約1か月後、母は希望どおり自宅で眠るように亡くなった。
きっともっと長く生きたかったはず。
もっとしたいことがあったはず。
余命宣告をしたことが良かったかどうかも正直、
明確な答えは出せないけれど、
亡くなるまでに遺言書を書き残し
葬儀の台本から棺のなかで着る服まで自分で選んで亡くなった母の人生の質=クオリティー・オブ・ライフは、私に生きる力を与えてくれている。
自分の人生は、自分で選択できること。
それを母が自分の人生をとおして教えてくれたのだとおもっている。
0コメント